国交省と経産省がジャスタビの照会に共同で結論
登録運転者とレンタカー利用旅行者とのマッチングサービス
10月12日に出ていたグレーゾーン解消制度の回答


【全国】経済産業省の「グレーゾーン解消制度」担当者は10月12日、沖縄で旅行大手HISの子会社「ジャスタビ」が旅行者に対し、ウェブサイトを介して、旅行者に代わってレンタカーを運転するドライバーの情報を提供するマッチングサービス事業に関する照会に回答した。タクシー業界はジャスタビのマッチングサービスについて「白タク行為で違法」としており、全国に波及するおそれがあるとして、全タク連も対応を表明していた。

  経産省によると、ジャスタビに送付した回答は「多くの照会事項1つひとつに具体的に答えたもの」で、10月27日付で同省がこの件を公表したニュースリリース(A4版2枚)よりも「文字量はかなり多い」としているが、実際の回答書類については「公表できない」としている。当該事業者に回答を送付したのは10月12日。翌日、ジャスタビは「増加する訪日旅行者へのサービス拡充を目指し、10月から中国語と韓国語のWEBサイトの運用を開始」し、政府のインバウンド政策に合致するサービスをアピールするプレスリリースを公表。地元有力紙の『沖縄タイムス』は10月15日付・電子版で3日前の回答を踏まえ、「日本人旅行者の3倍といわれる外国人旅行者のレンタカー事故率を下げるとともに、旅行者と地元に詳しいドライバーをつなぐことで質の高い個人旅行を後押しする狙い」があると指摘。

  10月12日付の経産省HPでは「グレーゾーン解消制度」の活用結果として、対応した件数のみが公表され、個別の内容は公表されなかった。本紙が経産省に「なぜ2週間も遅れたのか」と問い合わせると、担当者は「更新が遅れていた」とのみ答えている。

  今回の回答は、7月20日にグレーゾーン解消制度に提出していたジャスタビの照会に対するもの。通常は1カ月程度で回答が出されるが、レンタカー事業(自動車を有料で貸し出す事業)を定める道運法を所轄する国交省とグレーゾーンの解消を目指す経産省との間で法解釈等を巡り、再三にわたるやりとりがあったため、回答時期が2回遅れる異例な事態になったという。

  回答の概要は「照会を前提とすれば事業者、ドライバーの行為は、直ちに『旅客自動車運送事業』に該当せず、レンタカー業者の行為は、直ちに貸渡しに付随した運転者の労務供給(運転者の紹介及びあっせんを含む)の禁止に抵触しない」とするもので、照会中も継続してマッチング事業を続けていたジャスタビの事業を容認している。

  ただ照会内容は「ドライバーマッチング、ドライバーによる運転役務の提供が、道運法第2条第3項に規定する『旅客自動車運送事業』に該当するかと、レンタカー業者の事業活動がレンタカー業の許可に付される条件に抵触するか」の主に2点に絞られていたとされ、仮に「利用者に対し、ドライバーと自動車が実質的に一体として提供される場合、少なくとも事業者、ドライバーまたはレンタカー事業者のいずれかの行為が、道運送に抵触する」と回答している。回答は経産省と国交省が検討した結果。

  経産省によると、グレーゾーン解消制度の回答は、あくまでも提出書面にも対するもので、実際にどのようにウェブサイトを運営しているかや、ジャスタビとレンタカー会社との資本や人的関係、運転者個人が旅行者であるレンタカー利用者に求める「対価」の適法性や違法性の有無など「事実確認」には踏み込んでいない。

  そのため、「照会内容と事実との間に乖離が認められたとしても、グレーゾーン解消制度はそのようなことを判断するものではない」とし、事実に基づく判断は「所轄官庁が対応すべき」との認識を示している。

  一方、回答では、①事業者またはレンタカー業者が、自社ウェブサイトに相手方の広告やウェブサイトへのリンクを掲載するなど、事業者とレンタカー業者に業務上の関係があると判断される場合 ②第三者が業として事業者とレンタカー事業者の双方を紹介する場合 ③レンタカー業者の親会社と事業者との間に資本・人的関係がある際、関係を解消しても、実態として事業者への事実上の影響力が解消されていない場合などは、ドライバーと自動車が実質的に一体として提供されていると判断され、ドライバーとレンタカー事業者の行為は道運送法に抵触すると判断する――と明記。

  また「ドライバー、レンタカー業者の行為が道運法に抵触する場合、事業者はこれを共同または幇助するものとして、同法に抵触するおそれがある」としている。

  沖縄県ハイヤー・タクシー協会は11月8日、「10月の『沖縄タイムス』報道を受け、沖縄総合事務局に抗議したが、行政側は『ニュースリリースが近く出るので待ってほしい』の一点張りだった。10月26日にようやく行政側の説明があったが、内容をなぞったに過ぎない。協会としては、道運法に抵触する3点が行われていると主張したが、取り合ってもらえなかった」と行政の対応の悪さを指摘した。

  国交省の中垣吉雄・自動車局旅客課係長は11月8日、「違法性の懸念が強い中、経産省と何度もやりとりをして調整した結果」として、6月時点で指摘されていた資本関係など懸念材料は照会期間中に解消されたとの見方を示したが、「回答後に、回答に記した違法行為が確認された場合は地元行政機関に通報してほしい。あくまでも基本は地元の行政機関の対応だが、地元行政が対応しない場合は国交省に知らせてほしい」と語った。