貨客混載10月から宮崎で実施
過疎地域へ自家用車ライドシェア拡大
国家戦略特区諮問有識者 今後の進め方提案

(2015年10月1日付・第344号)

【東京】内閣府地方創生推進室が9月9日、首相官邸で開いた国家戦略特区会議で、5人の国家戦略特別区域諮問会議有識者議員(=注1)は「国家戦略特区 今後の進め方について」と題した資料に、さらなる規制改革事項の追加として、「過疎地域等における『自家用車ライドシェア』の拡大」を盛り込んだ。

  添付された資料では次期国会に向け、「現在、特区ワーキンググル―プで検討中の、農林水産分野を始めとする積み残し事項に加え、例えば、以下のような分野・事項についても、重点的に検討すべき」として、過疎地域等における「自家用車ライドシェア」の拡大を「近未来技術も活用した、インバウンド・ツーリズムへの対応」の項目の1つに掲げた。

  完全自動運転で走行する自家用車の実用化が、東京五輪後の2023年には実現するとされるが、こうした動きも睨んだ過疎地ライドシェア提案と見られる。来年の次期通常国会で俎上にのる可能性が高いとされている。 国家戦略特区にライドシェアが認定されれば、東京国際空港のある東京都大田区が5年後の東京五輪開催を睨み特区申請し、認定された民泊同様、簡易な手続きで自治体として実施させることが可能となる。

  一方、一部の過疎地域では、タクシー業界が懸案事項の1つとしている貨客混載がすでに始められている。

  東北地方では、6月から岩手県北自動車とヤマト運輸が岩手県盛岡市と宮古市を結ぶ「都市間路線バス」および、宮古市内から同市重茂半島を結ぶ一般路線バスで宅急便を輸送する「貨客混載」を開始。後部座席を荷台スペースにしている。現在、混載用の専用車両は1両運行。

  また九州地方では、宮崎交通とヤマト運輸が10月1日から、宮崎県西都市から西米良村を結ぶ路線バスで1日3便、貨物を搭載して運行。混載用の専用車両も3両投入する。    (4面参照)

  (注1)=国家戦略特別区域諮問会議有識者議員=秋池玲子(ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー&マネージング・ディレクター)、坂根正弘(株式会社小松製作所相談役)、坂村健(東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)、竹中平蔵(慶應義塾大学総合政策学部教授)、八田達夫(アジア成長研究所所長・大阪大学社会経済研究所招聘教授)

連合 田端官房長にライドシェア対応要請

  この問題に関連し、連合は9月24日、東京都千代田区の「連合会館」で、第23回政策委員会を開いた。

  国交省交渉報告では、連合が「一部の経済団体(新経済連盟)が政府に要望している『ライドシェア』は、タクシー業界労使が反対しており、利用者の安全確保の面からも問題がある」とし、「国交省も『道運法に抵触』としており、今後も導入しないようお願いしたい」と要請。

  これに対し、田端浩・大臣官房長は「ライドシェアは、いわゆる白タク行為であり、運行管理などの面からも本質的に違うものと考えている。要望は自動車局に伝える。この件で引き続き意見交換をさせていただきたい」と回答したとしている。