タクシーで地方創生
全国初 加賀市全域デマンド交通
加賀第一交通 市役所から出発

(2015年10月1日付・第344号)

【石川】加賀市(宮元陸市長、人口約6万9千人)は10月1日、加賀市役所正面駐車場でデマンド型「加賀市乗合タクシー」出発式を行った。今後6カ月の試験運行を経て、JR加賀温泉駅前に建設中の市民病院が完成する平成28年4月から本運行する。全市を21地区に分け、計415カ所の停留所を各町内に隈なく設けることで、市内全域で空白地域がなくなった。こうしたデマンド交通網は全国初。

  高齢者など自家用車を運転できない人の通院、買い物等の日常生活における移動手段を確保することが目的。加賀市在住の人なら誰でも利用でき、年齢制限はない。市が公募し、過去の実績などから加賀第一交通(工合田修身社長)に運行委託をして実現した。

  利用者は運行ダイヤから乗りたい便を電話予約し、町ごとに設ける「各町の停留所」から乗車し、目的地前まで乗っていける。運賃は1回500円で、回数券で支払う。回数券は2枚券500円、11枚券5000円など。身障者手帳等所有者は半額。未就学児は無料。

  準特定地域の南加賀交通圏にある加賀第一交通は保有する一般タクシー45両のうち7両をジャンボタクシーに代替。デマンド型乗合タクシー用に常時4両を使用。市は半年間の試験運行に係る予算として、利用頻度に応じて助成する仕組みをつくり、1500万円の予算を組んだ。

  平成20年3月、勅使地区と東谷地区で運行していた路線バスが撤退。このため谷間部で日常生活に移動手段が不可欠な橋立地区が中心になり協議を行い、加賀第一交通がデマンド交通を始めた。以来約7年間、地域公共交通の中心的役割を果たしてきた。運行してきた7年間で、ジャンボタクシーの実績は旅客定員8人のうち4割の平均利用があるとしている。

  出発式で、宮元陸・加賀市長は「少子高齢化、人口減少が加速化して、高齢者の足の確保が地方自治体の中で大きな課題になっている。そうした中、路線バスやCANーBUSも運営されているが、地域の足を確保する上では決して十分ではない。いろいろな課題を抱えながら今日まで来たが、本日こうして市内全域に乗合タクシーを網羅することができた。先行して東谷、橋立地区の皆さんが利用されているが、きめ細かなサービス提供の体制づくりがようやく整いつつある。10月1日からの実証運行で皆さんの声を聞かせていただき、より充実したすばらしいものができればと思っている。本日の出発式を地域活性化の起爆剤にすることができれば、それほどありがたいことはない」と期待を表明。

  運行を受託した加賀第一交通の工合田修身社長は東谷、橋立地区で乗合タクシーを運行してきたことに謝意を表し、「安全運行に努め、運営協議会と協議を重ねてきた。その経験を生かし、加賀乗合タクシーにおいても皆さんが快適にご利用できるよう努めたい」と意気込みを示し、市民の声をに耳を傾け、よりよくしていく決意を新たにした。