全自交関西地連 活動家学習会
山根成尊 珊瑚グループ代表がパネリスト
テーマは 生き残りをかけた事業戦略と労働条件のあり方

(2015年8月11日付・第340号)

【近畿】全自交関西地連活動家学習会が8月9日、大阪市北区の「PLP会館」で開かれた。冒頭、座長を務める加藤直人・関西地連書記長が「事業の譲渡譲受が、全自交傘下の労組でもあった。その当事者でもある国際タクシーの山根成尊社長に来ていただいた。本日は、事業者として忌憚のない意見を賜り、労組とどう向き合うのか。労組はどのように対処していったらいいのか、探っていけたらと思っている」と趣旨を説明した。

  北坂隆生・関西地連委員長は主催者あいさつで「タクシー規制緩和の弊害によって、厳しい状況に追い込まれた働く者の賃金、劣悪だった労働条件を何とか改善するという趣旨で改正タクシー特措法が施行された。残念ながら、その中身が動いていない」とした上で、「MKが特定地域指定に反対の主張を行い、一昨日、運輸審議会による公聴会が開かれた。自己都合だけで反対の主張をしている。9月11日に大阪でも公聴会が開かれる。新法は成立したが、働く者の労働環境は何ら改善されていない」と強調。「自ら労働強化をしないと生活できないという地域もある。業界全体が良くならないと、地域の問題も解決しない。同じ全自交で運動していても、個別事業者との労使関係によっては、全く異なる問題を抱えている。職場の問題を共有しながら、どう改善につなげていくのか」「不当労働行為、有給休暇も十分に取れないという話を聞く。そうした問題を皆で解決していきたい」と問題提起した。

  パネリストとして、中島光孝・大阪労働者弁護団副代表幹事、山根成尊・珊瑚グループ代表、高橋学・全自交労連書記次長が出席し、田代郁・参院議員(民主)が来賓出席した。

  中島氏は「労働条件が極めて厳しく、安全の十分な対策が、日本全体の労働で虐げられている。本日は意義のある学習会になるのはないか」と期待を表明。

  山根氏は「現在、45歳。私がこの業界で運転者として働きだしたのが20年前。運転者として出発し、管理職として、いろいろな会社を首になりながら平成17年に珊瑚交通を立ち上げた。規制緩和で参入しているので、皆さんはいちばん嫌いではないかと思うが、私はタクシー事業がまだまだ発展するし、もっともっと改善すれば、良くなると思っている。

  労働条件の改善は、労働組合だけが求めているのではなく、経営者も求めている。労働条件が良くならなければ、労働者は集まらないし、会社も経営できない。賃金は最大限、支払うべきものは支払おうと思っているし、労働条件は改善に向けていかないと過酷な労働を強いていれば、運転者は離れていくだろう。

  珊瑚交通は幸いなことに、ひじょうに多くの運転者が集まっている。だから、稼働率が高く、配車のロスがない。労働者時代に運転者を使い捨てするような経営者の下で働いていたときもあった。そのようなことは良くないのではないか、ということで会社を立ち上げた。特定地域の指定については、私は反対の立場でいる。大阪の低額運賃競争には反対だ。せっかく設定していただいている上限運賃で自信をもって商品を提供すべきだと思っている。何も安売りで利用者の奪い合いはすべきでない。

  ただ、タクシー運転者の使命である安全・快適に旅客を輸送するという当然のことをしていない運転者が多すぎるのが現状。私が運転者をしていた平成8年当時は、まだ利用者が町に溢れていた。計画配車をして、タクシー乗り場に絶対に並びなさい、という指導を受けたが、その後はチャブリや客引きをするという悪い運転者だった。そのつけが現在につながり、客離れになったと思っている。

  今一度、接客マナーの向上を徹底し、離れた利用者を取り戻すべきだと思っており、活性化対策の議論は必要だ。大阪はこれだけ(事業者が)まとまらないのに、特定地域に指定されたからといって足並みが揃うとは思っていない。生き残りをかけた事業戦略は、事業者自らが考え、取り組むことだ。業界一丸となるのは無理だと思う。本当にやる気があるなら、率先して取り組むべきだと思っている。

  適正化についても、いろいろと言われているが、聞けば、適正化イコール減車ではないのか。利用者を増やす努力をもっとすることで、適正化される。規制緩和で1車1人制が増えたと思うが、珊瑚交通は創業当時から1車2人制、定時性運転者は1車4人制を取り入れている。タクシーに公共性が求められていると思うが、1年365日、1日24時間稼働することが公共性ではないか。だから、1車1人制を廃止することで、適正車両になるのではないか。

  供給過剰問題も解消しなければならないし、活性化についても議論しなければならないのは十分に理解しているが、業界一丸となるまでの時間を割くよりも一生懸命議論して(自らが)活性化に向けて取り組まなければ生き残れない」と述べ、「今日は覚悟してきたので、どんどん攻撃してほしい。私は私なりの発言をし、それに法的に違法性が伴えば、弁護士先生に教えていただきたい」と自信のほどをうかがわせた。