田畑・滋タ協会長「(特定地域指定には)しばし猶予を」
準特定地域の京都市域に隣接 MK進出後の苦悩
大津市域交通圏、近畿で初の特定地域否決

(2015年5月21日付・第332号)

【滋賀】第2回大津市域交通圏タクシー準特定地域協議会が5月15日、大津市の「ふれあいプラザ・明日都浜大津」で開かれた。特定地域指定については事業者から「時期尚早」の意見が多く、構成員事業者の11人全員(委任4人含む)が不同意に挙手したことから近藤宏一会長(立命館大学経営学部教授)が「準特定地域協議会として不同意」を国交省に報告することになった。不同意は近畿で初。

  特定地域指定に関する論議では、田畑太郎・(一社)滋賀県タクシー協会会長は「滋賀8交通圏のうち大津市域交通圏が特定地域の候補に挙がったことには真摯に受け止め、すべての面から見直しや活性化・適正化、再生に向けより一層の努力をしていくのは当然のこと。先ほどから行政・事務局から説明があったことについて何ら異議はない。3月に運輸当局を招き、十二分に法の趣旨や先行に関する議論をした結果、協会として決めるのではなく、各社の判断に委ねるということで結論を持ち越した」と報告。振り込め詐欺撲滅キャンペーン、運転免許返納割引、UDタクシー導入、ゆりかごタクシー、ドラレコによる交通事故の情報提供など、滋賀協会は1400両程度の車両数しかないが、内容充実度からは滋賀県は全国のトップを走っていると自負している。今後は地域密着・環境重視の意見を承りたい。大津市域交通圏には鉄道駅が16カ所程度あるが、駅前広場の充実、乗り場等案内標識の設置をお願いしたい」と要望。その上で、「結論として地域密着、安全・安心のタクシーサービスの向上を続けるなら、特定地域指定の是非を問われれば、しばし猶予をいただきたいというのが協会の意見だ」と述べた。

  また滋タ協会員の近江タクシーの角田仁社長は「他府県のように預かり減車をお願いしたい。特定地域についてはあと1〜2年待ってほしい」、橋井秀次・大津市個人タクシー協組代表理事は「(自家用有償運送における白タク行為も見受けられる)今の状況のまま特定地域になるのはちょっと物足りない」、大津第一交通の山下美弘社長は「滋賀町とデマンドタクシーの話をしている。そうした中、減車は厳しい。今しばらく猶予を」、滋賀ヤサカ自動車の中村好和常務は「ゆりかごタクシーの利用は発足以来4月現在で663件。家族の送迎も多いが、かなりの実績になっている。24時間営業しているからできること」などと特定指定の猶予を主張。非協会員の辻安廣・滋賀MK社長は「無線と乗り場からの利用が全体の9割を超えている。こうした利用者を減車することで守れるのか。運転者の解雇にもつながる」と反対。

  大津市の山口寿・建設部交通管理課長は「強制減車は憲法で保障された自由な経済活動を侵害し裁量権の逸脱」と特定指定に反対。大津市自治連合会、滋賀県商工会議所連合会は業界が主張する猶予に同調した。