賛否伯仲 改正法の地元 大阪特定地域指定派優勢
天王山決戦 準特定地域協議会開催まで10日余り
指定には構成員(委員)枠の過半数の賛同が必要

(2015年4月11日付・第329号)

【大阪】第3回大阪市域交通圏タクシー準特定地域協議会が4月27日、大阪市天王寺区の「ホテルアウィーナ大阪」で開かれる。近畿の特定地域候補の地域協議会では神戸市域交通圏に次いで行われる。

  大阪エムケイなど非加盟のアウトサイダーだけでなく、協会会員内にも一般紙等で見出しとなった「強制減車」を警戒して特定地域指定に反対または保留する事業者がいる。個人タクシーを含めた準特定地域協議会のタクシー事業者枠が賛成に回るには、構成員として登録された事業者が保有する車両1両を1票とし、「構成員」が保有する車両数を分母とし、賛成票だけがカウントされるという変則ルールが採用されているため「有権者の動向」に大きく左右される。現時点では賛成が過半数を占め優勢のもよう。

  3月28日に締め切られた構成員届出は、大タ協会員から9割余りに該当する約130事業所、非会員事業者約40社のうち30社、これに「大タ協執行部に賛同する」(和田廣一・全大阪個人タクシー会長)とする個人票が加わる。

  基礎票数は法人約1万3000、個人約3500。ここから構成員登録数を勘案すると、法人の有効票数は約1万2000。個人を含めると1万5000余りとなり、8000票が安定多数ラインになると見られる。準特定地域協議会採決ルールでは、事業者枠に浮動票は想定されておらず、賛成以外は「反対」「保留」「欠席」ともに否決扱いとなる。

  具体的には4月13日に締め切られるアンケート調査の集計を待たなければならないが、4月上旬までに事務局が行ってきた各協同組合及び大手事業者への説明会以降、協同組合では関協が概ね反対すると見られているほか、タクセス陣営からも多少の反対票が出る見込み。無所属事業者の動向も微妙だ。

  大手事業者の出席者の間では、「改正タクシー特措法」の趣旨に沿う声が多かったもようだが、これも神戸市域、福岡など直前に行われる準特定地域協議会の結果如何で変わる可能性もあり、大タ協執行部は準特定地域協議会まで「膝を詰めた話し合い」が求められる。

  もう1つのタクシー業界関係者枠となる運転者代表(労組)では、既存労働団体やワンコイン労組のほか、単組からも提出され計66団体が構成員。枠としては特定地域指定賛同が多数を占めるもようだ。

  当事者側のタクシー事業者枠および運転者代表枠は以上のような状況だが、準特定地域協議会全体の構成員(委員)を見ると、出席手続きをしているのは、会長の安部誠治・関西大学社会安全学部教授、大阪府、堺市、吹田市、八尾市、安部会長以外の学識経験者として弁護士など3人、その他交通事業者から1人、地域住民として大阪商工会議所、なにわの消費者団体連絡会労働局、熊和子・毎日放送ラジオ・エグゼグティブなど4人、大阪府警、大阪労働局、(公財)大阪タクシーセンター、タクシー事業者、運転者――の18枠。

  橋下特区などの影響で、自治体の欠席あるいは保留・反対が予想されるため構成員の過半数が賛同したとしても、今後に禍根を残す可能性もある。この点をどうするかが緊急かつ喫緊の課題だ。

  あらかじめ枠内で構成員登録しているタクシー事業者、運転者のほか、当日の準特定地域協議会に初出席する構成員(委員)は自治体・行政の人事異動による担当者交代を除き、「協議会が必要と認める場合」に該当するため承認が必要となっている。大阪市域交通圏が「大阪のための特定地域」を選択し、「運転者の賃金・労働条件改善」を行う意思表示をするまでに、時間は残されていない。