第3回大阪インターナショナルタクシー創設委員会
プレ運行協力の2事業者から「ハードル高い」の声
安部教授「外国の文化の違い理解する努力が先決」

(2015年3月21日付・第327号)

【大阪】第3回大阪インターナショナルタクシー創設委員会が3月18日、大阪市中央区の「ホテルプリムローズ大阪」で開かれた。旗振り役を務める近畿運輸局と現場を担当するタクシー会社との間に温度差を感じざるをえなかった。3月4日から10日までさくらタクシーグループ、国際興業大阪から10人の英語が話せる運転者の協力でインターナショナルタクシーのプレ運行を行ったが、現場サイドでは十分な手ごたえを感じ取ることができなかったもようだ。

  インターナショナルタクシーのプレ運行を行ったが、現場サイドでは十分な手ごたえを感じ取ることができなかったことなどで、阿部竜矢・近畿運輸局自動車交通部長は「求められるレベルが高すぎる」という批判に対し、「海外から日本を訪れる富裕層をターゲットに、2万人の運転者から、事業者アンケートで分かっている外国語が話せる50人から100人の運転者に協力してもらい少数精鋭で対応することは可能」と強調した。

  今回プレ運行に参加しなかったが、外国人観光客からの要請はあるとする全大阪個人タクシー協会の和田廣一会長は「英語とフランス語に堪能な帰国子女であるドライバーに仕事をしてもらっている。60歳以上の人に語学を身につけてもらうのは無理」、さくらタクシーグループの泉成行社長は過去に大阪のホテルで開催された国際会議に国の要請で開催期間中300人の運転者で対応した経験を披歴。「3カ月、運転者に語学研修を受けさせたが、途中で全員が話せるようになるのは無理と判断。全車両に自動車電話を設置し、本社に英語が話せる3人のオペレーターを置いて、24時間体制で対応した」と語り、現場サイドは一様に否定的な見解を示した。

  問題となった需要の創出について阿部部長は「ホテルに滞在する外国人にインターナショナルタクシー認定制度があることを知ってもらい、乗ってみようという気持ちにさせるのが大事だ。英語で発信するのは大事だが、日本語で認定制度があることを知ってもらい、日本語でホテルの関係者に周知することが大事だと思っている。ホームページの活用やチラシを配布するなどで、知ってもらうことが大事だ」と述べた。

  プレ運行に協力した、さくらタクシーグループの泉社長は「運転者が経験していることなので、その辺は大丈夫だ。利用者からの苦情は聞いていない。いかんせん需要がひじょうに少なく、1週間で1人か2人の利用しかないので、特に申し上げられるほどのことはない」とした。また国際興業大阪の中川周光取締役は「契約しているホテルから当社が取り組んでいるESD(英語が話せる運転者)の要請はあったが、インターナショナルタクシーの要請はなかった」とした。

  安部誠治・関西大学社会安全学部教授は「外国人アンケートで『外国語がもっと上手くなってほしい』という回答があるが、これはそのタクシーが安全かどうか、話が通じないから不安ということの裏返しだと思う。だから、言葉が通じる運転者の要請を行いつつ、『日本のタクシーはどのタクシーを乗っても運転者はインチキをしない。言葉が通じなくてもメモに目的地を書いて渡せば、確実に到着するという安心感は世界でトップクラスということを外国人に浸透させることが大事だ。大阪で乗りやすいタクシーということなら、外国語通訳のスマホ無料ソフトがあるが、タクシー専用のソフトを作ってもらいダウンロードできるように通信会社等に相談したらどうか」と提案。「これは本来、大阪市観光局とタクシー協会の仕事」と指摘した。

  4月から50人程度の運転者資格認定に向けた研修が行われ、大阪インターナショナルタクシーの本格運行開始を目指す。実施後1年経過した時点で検証会議が開かれる。