関淳一氏「預かり休車制度を要求せよ」
大阪市域交圏の特定指定は必然の流れ
減車方法は公平・平等でないと進まない

(2015年3月1日付・第325号)

【大阪】「供給削減としての減車は公平・公正でないと前進しない」「地域協議会では緩和策としての『預かり休車』制度の創設を要求せよ」――(一社)大阪タクシー協会理事の関淳一・最高顧問(東洋タクシー社長)は2月27日、在阪記者懇談会で、大阪市内で大阪市域交通圏が特定地域候補になったことに絡み、つぎのようにコメントした。問題は減車の不公平をどうなくしていくか。そのクッション役として、預かり減車制度創設を要求していくべきとした。関氏の発言要旨はつぎの通り。

  準特定地域で「公定幅運賃はこのままでいいのか」など、いろいろな課題はあるが、それはこれからの問題で、情勢は変わるにつれ、行政の扱いも変わるので、我われも当初の予定通りには進めないということはあるかもしれない。

  しかし、それは避けては通れない。これまで、坂本克己・全タク連タクシー事業適正化・活性化推進特別委員会本部長が一生懸命取り組んできてくれたのだから、それは尊重していかなければならない。

  課題として残っているのは、旧タクシー特措法下で減車をしたとき、2割減車をしなかった事業者に対してどうするのか、ということなどだ。私は旧タクシー特措法下で減車に取り組んだときに「これは苦しいな」と感じたものだ。

  減車というのは、そもそも行政から「やりなさい」と言われてからやるのではなく、事業者自らがやるべきものだと思っている。運転者が付いていないタクシー車両を抱えていても、自賠責保険、任意保険、自動車税、車検など車両を維持するのに必要な固定費は必ず支払っていかねばならないからだ。

  そこへもってきて、富田昌孝・全タク連会長が「預かり休車」の創設を言いだした。私はこの預かり休車が一つの緩和策だと思っている。しかし、特定地域において預かり休車制度の創設と実施は、減車と表裏一体に進めていく必要があるだろう。

  減車だけとなると財産権の問題が出てきて、「買い上げよ」という声がでてきそうだが、いつまでも「減車はけしからん」と突っぱねていては、行政は持って行き場がない。だから減車するというのは分かる。しかし、旧タクシー特措法施行当時からもそうだが、減車をしていない事業者があってもいいという論理は、現実問題として通らない。

  そうなると、行政もそれ以上、刀を振りかざして断行するわけにはいかない。ただ、政治家に対して、我われは感謝の気持ちをもたなければならない。通常はあそこまではなかなかやってくれないものだ。

  橋下市長の大阪逆特区はこれからの問題としても、近畿運輸局の阿部竜矢・自動車交通部長が減車に言及している部分は、それはそれで理解しておかねば仕方がない。3年放っておいたらどうなるかなどの問題は今後、研究していったらいいと思うが、それでも預かり休車は前向きに要求していかねばならない。

  しかし前回、減車しなかった事業者に対し、「まずはあなた方が先に2割減車まで揃えなさい」と言っても、多分しないだろうが、そこは何とかクリアしなければならない。今、政治家があそこまで頑張ってくれているのに、頼んだ我われが「できません」ということにはならない。

  だから地域協議会などの基幹会議は、「やることはやるが、それは条件面を整理してからだ」と言わないと前には進まない。それを進めるためには、富田会長が提言している預かり休車制度の創設が必要だ。

  特定地域指定の合意形成を巡り、先の大阪タクシー協会五役会(正副会長会議)で否定的な意見も出たもようだが、最初からその運動に携わってきたら否定することはできない。

  しかし、個々の事実関係は別にして、大局的に見れば、その人は正しい主張をしているのだろうと思う。

  減車については、基本的に労組も賛成している。行政が「準特定はどうか」と言っていることの理由は、「基本的には分かる」と意思表示した上で、「ただし、旧タクシー特措法下で減車しなかった大タ協以外の事業者には先に減車してもらい、それ以降取り組むということには変わらない」と強調することが必要だ。だが、それをどう具体化するか検討が必要だ。

  我われは、「減車しなければならない状況にあるのは理解できるが、その方法は公平・平等でないとなかなか前には進まない」と主張していかねばならないだろう。

  今度だけは、「減らすことのできる事業者だけが減らしたらいい」ということにはならないからだ。