交通運輸産業 「安全」は永遠のテーマ
ふれ愛交通 ISO39001認証取得
輸送総合企業 トラック・バスとともに

(2012年2月1日付・第322号)

【大阪】ふれ愛交通(道野隆社長、大阪市平野区、110両)は本年1月15日付でISO39001を取得した。ISO39001は東京都の日生交通、日立自動車交通グループ、東京ラッキー自動車、横浜市のクワハラ、広島市のつばめ交通などがすでに認証取得しており、大阪では相互タクシーに次いで2番目の取得。

  同社は東陽運輸(松元憲行社長)のグループ傘下にあり、東陽運輸では2001年12月にISO14001を取得。ISO39001取得にあたっては、昨年4月にキックオフ。各事業所で安全輸送の徹底、バス・タクシー事業を中心に全社員を集めて会議や交通事故防止の研修会を開催するなど交通事故防止に積極的に努めてきた。

  グループで輸送総合企業として事業を展開し、ふれ愛交通とふれ愛バスの会長でもある松元・東陽運輸社長は「バス、タクシー、トラックと当社では交通に関係する事業で発展してきた。その中で顧客・利用者から安心してもらうために今まで以上の信頼が必要と感じ、ISO39001の取得を目指した。取得することで各事業所のドライバーの意識向上にも役立つと考えている」と抱負を語った。本紙はこのほど、道野・ふれ愛交通社長にお話を伺った。

  本紙  ISO39001とは…。

  ――  道路における交通事故死亡者、重傷者の根絶を目指した世界共通のマネジメントシステムであるISO39001。「運輸安全マネジメント」同様トップの強いリーダーシップのもとで、PDCAサイクルを回し交通安全を継続的改善していくことを目的としていますが、国際認証制度であり要求される内容がより高度な部分もあります。

  本紙  安全対策に取り組んでいても、不幸にして発生してしまった交通事故とどう向き合うかが企業に問われていると思います。

  ――  ISO39001は、交通事故を起こす可能性を限りなく0に近づけていくことを目的としていますが、同時に事故発生や「緊急時の対応」を会社のシステムとして確立することにもあります。まずは、事故0を目指す、企業トップとしての姿勢の意思表明、それを保障する体制づくり、また万が一の事故発生時の対応。これらをセットにして会社に位置づけていくことが求められると考えています。

  本紙  取得に至る経緯をお伺いします。

  ――  ふれ愛交通では、これまで「前年有責事故の10パーセント削減」を目標に掲げ「運輸安全マネジメント」を実施してきました。また、この目標を達成するための「安全基本方針」を確立し「重点施策」に基づいた教育、訓練を実践して来ました。しかしながら内部監査はあるものの、「安マネ」は外部、第三者からの検証を受けることはありません。そのこともあって検証、見直し、いわゆる「CA」の部分が特に遅れがちになる傾向はありました。ISOは一度取得したからそれで終わりということではなく、毎年の審査があります。厳しい環境ながらそこに身をおいて毎年サーベイランスの洗礼を受け、問題点も克服課題も外部へさらけ出して、さらに安全を追求して行く道を選んだからです。

  本紙  具体的には?

  ――  取得に向けたサーベイランス審査では、現状がどうなっているのか、が徹底的に問題になりました。準備した基本方針や重点目標等は「安マネ」の経験も踏まえ、完璧な物であったと思います。しかしながら、例えば、乗務員教育のカリキュラムでは当社のどのような事故事例やヒヤリハットに基づいて作成されたものなのか? またそのデータ管理は? エビデンスは?

  ――  具体的に現状把握が出来ているのか、窮する場面もありました。また、デジタルタコグラフを採用していますが、その総合判定を充分活用出来ているのか、も課題として上がりました。ISOは方針の確立と同時に現状を、事故を起こすインシデントを充分把握した上でどのような理由でそれ(方針)がなされたのか、が常に明確ではならずそのシステムづくり(現状把握の手立て)から着手するということになりました。今まではいわば思いつきで教育訓練内容が決められていたことはなかったのか、どうか。更に点呼内容に運行管理者や補助者によって差が生まれてはいないか、それを裏付ける「手順書」はいつも常備されているのか、どうか。また、「緊急時の連絡」の訓練が成されていないとの指摘があり、これは審査期間中に「模擬連絡」の実施も行いました。現状については驚く程の改善すべき点が見つかりました。その手立てをひとつひとつ示しながら、認証取得にこぎ着けた感があります。

  本紙  最後に、抱負をひと言お願いします。

  ――  公共交通機関として真に安心して利用できること、これは絶対的な安全性に裏打ちされることが前提です。その中から利用者の快適感が生まれてくると考えています。このことを会社運営の根幹として「安全のトップ企業」として今後も精進を重ねて行きたいと考えています。

  本紙  ありがとうございました。(2015年1月、ふれ愛交通本社で)