泉州交通圏の準特解除はLCC需要増が影響
阿部・近運局自交部長、定例会見で見方示す
「供給過剰になれば再度準特に指定される」

(2014年11月21日付・第315号)

【近畿】近畿運輸局の阿部竜矢・自動車交通部長は11月20日、大阪市中央区の近運局内で定例記者会見を開いた。阿部部長は、泉州交通圏の準特定地域指定解除について、日車実車キロと日車営収の両方の数値が平成13年度を上回ったためで、どちらか一方が上回ればよいというものではないと説明。日車営収が平成13年度を上回った地域は生駒交通圏と和歌山市域交通圏(いずれも準特定地域)があるが、日車実車キロが平成13年度を下回ったため解除されなかった。また旧タクシー特措法下で示された適正車両数に達したか否かは、指定解除の判断とは無関係とした。

  阿部部長は冒頭、10月31日に準特定地域の指定を解除した泉州交通圏に関連し、「国自旅第402号、平成26年1月24日付の自動車局長名で発出された通達『準特定地域の指定等について』の1、(準特定地域の指定(1)人口10万人以上の都市を含む営業区域であって、①から③までのいずれかに該当するもの。)『①日車実車キロ又は日車営収が、平成13年度と比較して減少していること。』に該当し、日車実車キロが平成13年度の93・9キロから平成25年度96・8キロに増えている。日車営収が平成13度年3万2077円から平成25年度2272円と195円増えている。このように準特定地域指定基準により指定に該当しなくなったので、今回解除することになった」と説明。一方、②(前5年間の事故件数が毎年度増加していること。)、③(前5年間の法令違反の件数が毎年増加していること。)と他に2つの要件があるが、本省に検証したが、①の日車実車キロ又は日車営収が平成13年度に比べ減少していないということで、解除の判断に至った」とした。

  なぜ、泉州交通圏で日車実車キロと日車営収が増えたのかとの疑問に対して、阿部部長は正確な情報かどうかは分からないと前置きした上で、「関空でLCCがかなり増えており、LCCの従業員輸送の需要がタクシーにかなり回ってきていると聞いている。一部の会社だけかもしれないが、そのことがデータを押し上げることになったことが、一つの要素になったと考えている」と述べた。解除の影響については「特定地域の指定が先ではないのか、という意見は業界の各方面の方がたから聞いている。本省の判断ということになるが、通達によるルールがあり、データを検証したところ解除に該当した。解除は、何らかの影響はあると思うが、経営者の判断なので、今後どうなるかは分からない。道運法に基づき、運賃は個別認可の仕組みに戻る。新規参入は要件を満たせば許可し、増車は届出で可という原則に立ち帰る。我われの立場としては、やみくもな増車、過度な運賃競争に陥らないような合理的な経営判断をお願いしたい。供給過剰になり、過度な運賃競争になれば再び準特定地域に戻ることもありえるが、そうならないでほしい」と語気を強めた。

  この他、運賃変更命令差し止め仮処分請求については「即時抗告のその後については、9月の段階と状況は変わらない。ただし、書面のやり取りは、10月8日で終了しており、それを踏まえて大阪高裁の判断待ちとなっている。いつ判断されるのは、裁判所のことなので、何とも言えないが、我われとしては国の主張が認められる形で、早期決着を図りたい。本訴はMK、ワンコイン、寿(11月26日)があるが、それぞれ概ね3回目の口頭弁論を終えたところだ」と答えた。