近運局自動車交通う部長ら MK見学
両者は係争関係なのに「なぜ?」の声
黒田旅客第二課長、「以前からの約束」

(2014年5月19日付・第296号)

【近畿】エムケイ(京都市南区、青木信明社長、892両)が各営業所で定期的に行っている「全員研修」を阿部竜矢・近運局自動車交通部長、黒田唯雄・同旅客第二課長ら3人が見学した。

  今回、近運局幹部ら3人が見学したのはエムケイ伏見営業所で5月14日夕方に行われたもの。全員研修の冒頭部分で青木社長は「裁判中にもかわわらず、お越しいただいたことに感謝を申し上げたい」と丁寧にあいさつ。行政側はエムケイのこの間の運賃対応の経過に関する発言などを約30分傍聴して帰った。

  3人はエムケイ役員、幹部職員、伏見営業所に所属する運転者らに拍手で迎えられ、青木社長から紹介を受けたが行政側からの発言はなかった。

  エムケイは5月1日、関西地区、福岡のグループ会社4社とともに国・近運局を相手取り、公定幅運賃への値上げとなる運賃変更命令を行わないよう求める請求と公定幅運賃等が違憲に該当するとした行政訴訟を大阪地裁と福岡地裁に提起した。今月末か来月初旬にはその結果が示される見通し。これに対し、国・近運局側は5月9日までに意見書を提出したもよう。

  こうした係争関係にあるなか、近運局の担当行政官らがこの時期に「見学」したことを疑問視する向きもあるが、黒田課長は本紙の取材に「エムケイから『ぜひ一度、見学に来てほしい』との要請が今年初めごろからあり、今回の行政訴訟がなかった頃に見学の約束をした」と説明。当日の全員研修について「一般的な会社として、社長が全社員を把握しようという姿勢が見て取れた」と感想を述べた。

  翌15日の自動車交通部長記者会見で、記者団からの活性化への取り組みに関する質問に絡み「クオリティを上げるのは非常に大事。そのために相当な努力をされている会社がある。私も見聞きさせていただいているが、そういう取り組みは尊いと思う。そのようなことを全面に出して、地域のタクシーに対する評価を高めるのは非常に大事だと思う。タクシーの将来像については、総合生活産業という枠組みからそう大きく離れることはないと思うが、そこを大事にしていきたい。先日の地域協議会でもそのような議論まで進まなかったという側面もある。運賃や車両数をどうするのか、という議論が多い。それはそれで事業者さんの関心事項なのだろうが、それだけではタクシーに対する評価の世論は高まらない。こうしたことについては、行政だけではなく、事業者にも気付いてほしい」などと答え、エムケイの運転者教育などの取り組みを暗に評価したと思われる部分もあったが、「見学」に関連した発言はなかった。