認知症行方不明者の捜索にタクシーが協力
年々増加 昨年は届け出だけで1万千人
警察署、Eメール情報提供で早期発見へ

(2014年5月12日付・第295号)

【全国】認知症による行方不明者の警察への届け出が年々増えており、受理件数は平成24年に9607人だったのが、翌25年には1万300人を超えた。

  市町村単位で進められている徘徊SOSネットワークは、認知症のある高齢者が行方不明になった時、家族が警察署に通報すると、捜索協力機関にFAXなどで一斉に情報が伝えられ、タクシー、バス、トラックの各協会、郵便局、ガソリンスタンド、町内会、老人クラブなどの生活関連団体が必要に応じて協力して早期発見に努めている。

  5月9日の衆院厚生労働委員会で田村憲久・厚生労働大臣が「警察だけでなく、自治体や地域包括支援センター、タクシー会社など多様なネットワーク作りが重要」と発言。各地の先進的な取り組みを全国に発信するなど、対策を強化する考えを示した。民主党の長妻昭氏の質問に答えたもの。

  警察庁は4月25日、認知症が原因で行方不明になったとの届け出が平成24年に9607人分あったが、231人は24年中に発見できず、翌25年に入ってから53人見つかったことを明らかにした。

  受理件数が最も多いのは大阪府警で2076人。兵庫県警1146人、愛知県警735人と続く。24年中に所在が確認できた人は、同年以前に行方不明になっていた人も含めると9478人。帰宅したり、発見されたりしたのは8754人で、死亡者は351人と約4%を占める。

  福岡県大牟田市(人口約13万)では、認知症に関する住民意識調査の結果がネットワークをつくるきっかけとなった。

  認知症ケア研究会のメンバー、認知症市民サポーター、専門職、行政、地域住民がメール登録し、行方不明者の情報を知らせるメールのネットワークを構築。情報の送信は、消防署の地域安全安心ネットで行なわれる。年間120件ほどの行方不明者が発生するが、そのうち20 件程度が利用しているという。