MK、京都の運賃改定申請 公示後取り下げへ
新運賃は実施となるが、問われる最後?の「7割ルール」

(2013年12月16日付・第279号)

【京都】エムケイ(青木信明社長)の幹部は12月12日、最終の詰めが行われ、今月末か来年1月上旬にも公示されるとの見方が強まっている、現在審査中の京都市域交通圏の運賃改定申請に関する本紙の質問に答えた。

  その幹部は「運賃改定申請は新運賃公示後に取り下げる」と表明した。青木社長はエムケイ各営業所で開かれている全員集会などで、たびたび「今回の申請は付き合い。取り下げて現行運賃は継続する」ことを表明したと伝えられていた。

  これが本当だとすれば、京都の新運賃は公示後2週間を経た翌日に実施されるため、取り下げはこの2週間の間に行われると見られる。

  同幹部は、行政側に相談したところ、新運賃公示後に取り下げても新運賃の取り消しにはならないとの確認が取れたためとしている。

  このため、運賃改定実施後の京都市域交通圏の運賃は、現在の上限運賃よりも8〜10%程度上限が高い新運賃と現在の自動認可下限割れ運賃の2通りの運賃となり、依然として京都の「2重運賃」状態は解消されない可能性が一段と高くなった。

  幹部は公示後取り下げる理由について「新運賃が認可・実施となり、その時に取り下げないままでいれば、新運賃の幅の範囲で申請しなければならなくなる」と説明。現在の小型車・初乗り2km580円、中型車・初乗り2km590円の水準を確保した上で、来年4月1日実施の5%から8%への消費増税対応として、現在の運賃に3%を上乗せする申請を取り下げ後行う予定としている。

  現在審査が行われている京都市域交通圏の運賃改定申請は、多くが初乗りを現在の2kmから1・7kmに短縮し、小型車580〜600円、中型車590〜610円にしたいとしており、仮に自動認可幅の範囲で小型車580円、中型車590円で申請・認可される事業者が多くなれば、初乗りで運賃では判断できない運賃格差ができ、利用者にとって極めて紛らわしくなる。

  この点についてエムケイ幹部は「これから判断することだが、場合によって京都の新運賃の初乗り距離が短縮されれば、その距離に合わすことになるだろう」と柔軟に対応する姿勢を示している。

  京都市域交通圏で自動認可下限割れ運賃を適用している事業者は、エムケイのほか、都タクシーグループ、アオイグループ、ワールドタクシーがあり、エムケイだけが今回の運賃改定申請を行っているが、これら未申請グループと事業者が新運賃公示後、どのような動きをするのかも注目されるところとなった。

   ことし初め、本紙のインタビューに対し、エムケイの青木信明社長は「アベノミクスが奏功し、消費増税が実施されることになれば、増税分は値上げしなければならない」としながらも、現在の自動認可下限に張り付くことも含め、その値上げ方法を模索していたが、ここに来て、その対処方法が明らかになった格好だ。

  一方、今回の京都市域交通圏運賃改定申請では、最初の申請から3カ月を経過した時点で、審査開始基準の「地域の7割の車両数を保有する事業者からの申請」である「7割ルール」に届かなかったため、最初に申請した京タ協幹部事業者を含めた3事業者が申請を一旦取り下げ、取り下げから10日を過ぎたころに再申請するという「ウルトラC」を演じ、その間にエムケイなど数社が申請、結果的に8割近い申請率で審査に入っていた。

  しかし、原価対象事業者11社からの資料提出が11月初旬にずれ込んだことから、審査作業が遅れ、申請公示後6カ月の来年1月中旬の実施が危ぶまれていた。

  また有言実行でエムケイが新運賃公示後、本当に運賃改定申請を取り下げれば、エムケイの申請は「見せ球」だったということになり、一旦取り下げ方式と共に、これを認める行政も含め波紋を呼ぶことになりそうだ。