タクシー新法案と付帯決議が11月8日、衆院可決

(2013年11月11日付・第274号)

【東京】特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部改正案が11月8日午前、衆院国土交通委員会で審議され、起立による賛成多数で可決した。つぎに、自民、公明、維新、民主の各会派から共同で付帯決議案の動議があり、維新の会・井上英孝議員が代表して17項目から成る付帯決議の趣旨説明をして提案、起立による賛成多数で採択された。6日に続き計4時間の審議で採択。衆院における法案可決を受け太田昭宏・国交大臣は「趣旨を十分に尊重し、関係省庁と連携を図りつつ、努力する所存だ」と表明した。衆院付帯決議の内容はつぎの通り。

  特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部改正する法律案に対する付帯決議

  政府及び関係者は、本法の施行にあたっては次の所見に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

①一般乗用旅客自動車運送事業が、地域の公共交通機関として重要な役割を担っていることを関係者が認識し、高齢者・妊婦・障害者・訪日外国人などの幅広いニーズに的確に答えると共に、創意工夫を凝らして、サービスの高度化や高質化に積極的に取り組むことにより、需要の拡大を図ること。

②特定地域の指定については、その法的効果に鑑み、厳格に行うこととし、現行特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法に基づく特定地域に係る指定基準より厳しい客観的な基準を設定した上で、適切に運用すること。また特定地域について指定事由がなくなったときは、すみやかに指定を解除すること。

③特定地域において設立される協議会に対し、特定地域の早期解除を図る観点からも、積極的に活性化による需要の拡大に取り組むよう適切に指導すること。

④特定地域の協議会における特定地域計画の作成に際しての協議会としての合意の要件として、保有車両数の規模による法人事業者の区分や個人タクシー事業者のカテゴリーごとに車両台数シェアを等しくした基準を設定することとし、これを周知、指導すること。

⑤特定事業計画に記載する削減すべき供給輸送力の削減の方法等については、保有車両数の規模による法人事業者の区分や個人タクシー事業者のカテゴリーに応じて、一律ではない削減率による減車(地域ごとに設定されている最低車両数を下回らない台数までとする)や、営業方法の制限を柔軟に行うことができることとし、参考となる具体的パターンを示すなどの方法により、これを周知、指導すること。

⑥⑤のカテゴリーとして設定される削減率については、あらかじめ協議会で合意した基準により、下限などの調整もできることとし、これを周知、指導すること。

⑦準特定地域における増車に係る事業計画変更の認可について、事業者の1台当たり増収実績(特定地域として指定されていた直近の期間に係るものも含む)、雇用する運転者の賃金増の実績などをその基準として設定し、適切に運用すること。

⑧国土交通省は、公正取引委員会の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律についての見解に基づき、改正後の特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法に基づく行為として、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律上、何が問題とならないとされるのか、また何が問題になるのかについて、明確となるよう文書により周知すること。

⑨国土交通省は、地方運輸局長が特定地域及び準特定地域における協議会の構成員ではなくなることを踏まえ、協議会における協議や検討に必要な各種データの提供をはじめ、協議会の円滑な運営のために必要な支援を適時適切に行うこと。

⑩国土交通大臣が指定する運賃の範囲については、利用者利便の確保の観点を十分に踏まえ、能率的な経営を行う標準的な事業者における適正な原価に適正な利潤を加えることにより設定することとし、安易な値上げが行われないよう真摯に取り組むこと。

⑪準特定地域以外の地域で適用される自動認可運賃について、その幅を従前通り維持すると共に、引き続き個別の申請に対する審査を厳格に行うこと。

⑫国土交通省及び厚生労働省は、累進歩合制の廃止について改善・指導に努めること。また労使双方に対し、本法の趣旨を踏まえた真摯な対応を行うよう促すと共に、取り組み状況を把握し、助言等必要な支援を行うこと。

⑬一般乗用旅客自動車運送事業者は、歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築、累進歩合制の廃止、事業に要する経費を運転者に負担させる慣行の見直しなど、賃金制度等の改善などに努めると共に、運行の安全を確保し、拘束時間外に運転代行業務に従事することなどにより、安全な運転がすることができない運転者を乗務させることがないよう万全を期すること。

⑭国土交通省は、運転代行業者による場合も含め、いわゆる白タク行為が行われることがないよう関係機関と連携して監視・取り締まりの強化を図ること。

⑮本法の施行後も、個人タクシー事業者による事業の譲渡譲受が円滑に行われるよう、譲受しようとする者に対する試験制度などの運用・改善に取り組むこと。

⑯本法の施行後における施行の状況や効果について、3年ごとに総合的に検証を行い、その結果を両院に報告すること。

⑰国土交通省は、本法の施行の状況等を検証し、関係法令に基づく諸施策について、不断に検討を行うこと。