利用者不在
JR西日本の姿勢問われるJR大阪駅乗り場移転

(2013年10月7日付・第270号)

  【大阪】8月供用開始が予定されていたJR大阪駅乗り場を現在の南口(駅東)から桜橋口(西口)へと移転する計画の実施が大幅に遅れている。JR大阪駅におけるタクシー乗降場移転対策協議会の第4回幹事会が開かれたのは5カ月前の4月30日。一体、どうなっているのか。

  これまで、利用者利便の観点から労組業界側が主張する桜橋口改札口前の切り込みを乗り場とするなど「右乗り」実地検分の評価とJR側が示す青写真通りになった場合の対策が大阪府警とJR西日本の「宿題」となっていた。

  これに対し、8月までにあった大阪府警からの回答から1カ月余りを経て、ようやく9月中旬、JR西日本から回答があったことが本紙の取材で明らかになった。

  府警からの回答は主として「右乗り」になった場合を含め、出口となる桜橋筋側にある信号前の右左折レーンの引き直しや横断歩道の設置等に関する問題点にあったもようだ。JR西からの回答が仮にJRの青写真通りになった場合、利用者は桜橋口から乗り場へ向かうのに一旦、新たに設けられる横断歩道を渡らねばならず、利用者利便の観点からも上屋を設けてほしいとする要望が出ている。

  JR西からは、この場合の問題点についていくつか提出されたもよう。説明を聞いた近運局の担当官は「JR側からは上屋を設ける場合、いくつかクリアしなければならない問題があるという話があった」としている。上屋設置以外の降り場等に関する言及はなかったとしている。

  だが、「右乗り断念」と見られた改札口前からの乗り込みについては「第4回幹事会の空気としてはそうだったが、完全に消えたわけでなく、選択肢のひとつとして存在している」(近運局)としており、今後も難航の材料となりそうだ。

  近運局と協議会座長を務める大阪運輸支局の竹内哲也支局長らがこれら問題を整理した上で、幹事となっている大阪市、大阪タクシーセンター、法人・個人の事業者団体と労働団体等に持ち回りで説明が行われる見通し。桜橋口乗り場予定地では、すでに上部を覆っていた建物などが撤去され、いつでも施工に取り掛かれるようになっているが、協議会の合意事項に基づき着工されることになっていることから、最終協議会が開かれない現状では年内着工は難しいとの見方が強い。

  一方、現在駅東側にある乗り場継続を含め利用者利便の良い乗り場及び降り場の設置を要望している業界側にとっては、しばらく現状維持となる。

  しかし、何点かの修正はあるにせよ、いつかはJR側の思惑通りになるのは確実で、今のうちにJR大阪駅周辺の乗り場及び降り場確保に向け、運動の輪を大きく広げていかねばならないという課題を抱える。現時点では、利用者利便を考慮に入れない計画が進められようとしているとの批判を、JR西は避けられそうもない。