先取防衛 攻めの営業で生き残り
第一交通 滋賀でモニター制度
6月認可 見込まれる運賃改定 視野

(2013年5月13日付・第252号)

  第一交通産業は5月10日、滋賀県大津市の「プエルタ大津」で第1回グループ・滋賀地区合同モニター会議を開いた。
今回創設された滋賀地区タクシー利用モニター制度は「タクシーの運行に関して、利用者の公正かつ建設的意見、要望、提案等を継続的に把握し、サービス向上を図る」のが目的で、大津第一交通と滋賀第一交通のタクシーが対象。
モニターは「タクシーを利用する機会が多く、常に交通事業に関心を持ち、かつ建設的な意見を持つ人」「これらに該当する人で、滋賀地区の社長または所長より推薦を受け、年齢、性別、職業等を考慮」して選考された7人。

  山下美弘・大津第一交通社長が、7人にモニター委嘱状を手渡した。モニターはタクシープリペイドカード5枚(上限1000円)を利用して、基本的に1カ月5枚以上の「タクシーモニター乗車報告書」を当該社に提出する。また、知人・友人などに第一交通タクシーの利用促進をPRする。任期は来年3月末までの1年間で、会議は4カ月ごとに開かれる。質疑応答では、モニターから辛口の苦情が寄せられ、利用者のよりよくしようという意気込みが見て取れた。

  当日は「タクシーモニター乗車報告書」にある24項目のほか、「タクシーカード備え付けの有無」をチェック項目に加えることが確認された。善行など特筆する必要がある場合には、第一交通産業本社・交通事業部が発行する「トピックス〜北から、南から〜」に掲載され、全国営業所等に配信される。第一交通産業グループでは滋賀地区に先駆け、数年前から沖縄県と福岡県北九州市で同様のモニター制度を実施している。

  当日のモニター会議では冒頭、山下美弘・大津第一交通社長が「4月29日の春の叙勲で、創業者である黒土始・第一交通産業会長が旭日中章を受章した。これもひとえに行政関係者、業界関係者、利用者の皆さんのおかげ」と謝意を表明。「平成21年10月1日、旧京阪タクシーグル―プからタクシー700両を譲り受け、滋賀では汽船タクシー、滋賀京阪タクシーを引き受けた。それらの会社は現在、大津第一交通、滋賀第一交通という形に生まれ変わっている。
  引き受けて2年半が経過するが、この間に賃金改定、無線に関してはドコモの電波によるナビ付配車システムを導入し、スマホやパソコンから配車を受けられるようになった。帝産タクシー滋賀から9両を譲り受け、瀬田駅への進出を図った。飲酒運転撲滅を合言葉に代行運転を始めている。そして今、労働条件改善の一環として近畿運輸局に運賃改定申請を行っている」
「今後、おでかけ支援のメニューとして、高齢者割引、妊産婦タクシー等、利用者目線で取り組んでいきたい。モニターの皆さんには制度に賛同していただき、感謝を申し上げる。忌憚ない意見をいただき、よりよいタクシーを目指したい」とあいさつ。

  第一交通産業本社の坂本幹雄・営業本部長は「本社役員もひじょうに期待している。今後、仙台や北海道など、各地に波及させ、運転者のレベルアップを図っていきたい。この取り組みは、あくまでも運転者をどうこうしようというものではなく、育て上げていきたいという思いで行っていく。趣旨をご理解いただければ幸甚だ」
「当社は1960年に北九州の小倉において、5両でスタートした。一昨年、創立50周年を迎えたが、この間、全国33都道府県で営業するようになった。タクシー業界全体で言えば昨年、100周年という節目の年を迎えたが、それから比べると第一交通はまだ半分しか経っていない。こうした中、攻めの営業をしていかないと生き残っていけない」
「そのためにも運転者や配車室の教育に力を注いでいきたい。当社創業者である黒土会長は常々、お客様本位という指導をしてきており、丁寧なサービスの提供という点については特に厳しく指導を受けた。わたしも昭和47年からタクシー乗務を6年続け、その後配車室に入り、20年務めた。やはり人との触れあいはいいことだと認識し、利用者とも交流ができた」
「本日皆さんとの出会いもわたしの大きな財産になる。九州に帰ったら、田中亮一郎社長に詳しく報告したい。3月末、兵庫県タクシー協会が主催したシンポジウムで、藤原悟朗・近畿ハイタク協議会会長が、近畿2府4県において、神戸の運転者の服装が最も乱れていると指摘している」
「その意味でも利用者の目線は厳しくなっている。そのためにも、われわれにできるサービスは何なのか。利用者に助言いただきながらやっていきたい。運転席の後に『お客様の声収集カード』があるが、忌憚ない意見をあげていただければ、これからの営業戦略として、運転者指導をしていきたい」
「どんな些細なことでも指摘していただきたい。乗車時の評価だけでなく、町中を走っている当社の車両の評価をいただければありがたい。利用者の声を真摯に受け止め、『さすが第一』と言われるよう、精進していきたい」と述べた。

  最後に、荒木浩幸・滋賀第一交通社長は「あっと言う間の1時間余りだった。いろいろな角度からご意見をいただき、タクシーへの期待を含め、課題をいただいた。今まで以上に気を引き締めてやっていきたい」
「サービス向上、運転者の生活向上を目指し、滋賀県で16年ぶりとなる運賃改定のお願いをしている。われわれは滋賀県に来て3年目を迎えるが、まだまだ課題はある。第一交通が柱としているお客様第一と安全第一は、恥ずかしながら完全達成できていない」
「その未完の部分を皆さんのご意見をちょうだいしながらいかに達成させていくか。ここにモニター制度で成功に導かれる。地域でいかに愛され、選ばれるか。実りあるモニター制度にしていきたい」と協力を求め、閉会のあいさつを行った。